黄砂シーズン到来!マンション清掃で差がつく黄砂対策について

春先になると気になり始めるのが「黄砂」。
気づかないうちにマンションの各所が汚れてしまい、建物の美観や設備、住民の健康にも影響を与えてしまうものです。
本記事ではそんな黄砂によるマンションへの悪影響や、マンション共用部の清掃方法、事前にできる黄砂対策などについて詳しくご紹介していきます。
黄砂によるマンションへの悪影響について

黄砂によるマンションへの悪影響についてご紹介します。
黄砂の時期と特徴について
黄砂とは、中国やモンゴルの乾燥地帯で発生した砂や塵が、強風によって大気中に舞い上がり、偏西風に乗って日本まで飛来する現象です。
主に春先、とくに3月~5月にかけて日本に多く飛来します。
発生源としては、中国のゴビ砂漠や黄土高原、モンゴルの乾燥地帯であり、乾燥と強風により、砂や塵が大気中に舞い上がって偏西風に乗って日本に到達します。
粒子が細かく、移動中に大気汚染物質を吸着してしまうため、建物や人体への影響も懸念されています。
春先には飛来量も多く、都市部でも黄砂による汚れや健康被害が問題になることも多くなってきています。
建物の美観への影響
黄砂は粒子も細かいため、マンションの外壁やガラス面、エントランス周辺に付着しやすいです。
放置するとシミやくすみの原因となってしまい、マンション建物の美観が損なわれてしまうということもあります。
とくに白や明るい色の外壁では汚れが目立ちやすく、印象を悪くしてしまう可能性が高いとも言えるでしょう。
設備への影響
黄砂には土壌成分だけでなく、工業地帯を通過する過程で有害物質を含んでいることがあります。
これが給排水設備、空調機器、照明器具などに蓄積してしまうと、機器の劣化や詰まりといったものの原因となり、結果として修繕費用がかさんでしまうことがあります。
中でも、屋上設備や外部配管、ベランダに設置されている室外機などは黄砂の影響を受けやすく、定期的な点検・清掃を怠ると、機器の寿命が短くなってしまう可能性もあります。
健康面への影響
黄砂はPM2.5などの微粒子と混ざることで、呼吸器系への悪影響が指摘されています。
アレルギーや喘息を持つ住民にとっては大きなリスクにもなり得るため、建物全体の衛生管理が求められています。
とくに、高齢者や小さなお子さまのいる家庭では、少量の黄砂でも咳や鼻水、目のかゆみなどの症状が出る場合があります。
そのため、マンション共用部だけでなく、玄関まわりや換気口の清掃、空気清浄機の設置など、住民の健康を守るための対策も求められています。
また、黄砂が付着したままのベンチや手すりを触ることで、皮膚に刺激を感じる人も少なくなく、共用スペースのこまめな清掃がより一層重要であることが分かります。
【マンション清掃】共用部の黄砂の清掃方法

マンション共用部は風通しが良い分、黄砂が溜まりやすい場所でもあります。
以下では、具体的な清掃方法を場所別にご紹介します。
エントランス
エントランスは人の出入りが多いことから、黄砂が一番溜まりやすい場所の一つとも言えます。
まずは掃き掃除で砂やホコリを除去し、その後に水拭きやモップ掛けで表面の微細な粒子を取り除きましょう。
自動ドアのレール部分に限らず、照明器具の上など細かな部分も忘れず清掃を行うようにしましょう。
廊下・階段
吹き抜け構造や外廊下のあるマンションでは、とくに黄砂が溜まりやすくなっています。
ホウキだけでなく、定期的に高圧洗浄や水拭きを取り入れることで、見た目と衛生面の両方を保つことができます。
それに加え、手すりや壁面の拭き取りも効果的と言えるでしょう。
駐輪場
駐輪場は、地面の凹凸や壁との隙間に砂埃がたまりやすい場所と言えます。
掃き掃除に加え、水を使っての洗い流しを組み合わせると、黄砂の粒子を効率的に除去することができます。
定期的な清掃により、自転車への影響やタイヤの滑り防止にもつながるでしょう。
ゴミ置き場
ゴミ置き場は湿気や臭いがこもりやすい上に、黄砂が混ざることでより不衛生になりやすい場所です。
床の砂埃は定期的な掃き掃除と水洗いで清潔に保ち、ゴミ収集後は消臭剤や除菌スプレーの使用もおすすめです。
エレベーター周辺
屋外に近い位置にあるエレベーター出入口では、風と一緒に黄砂が入り込みやすくなります。
乗り口周辺の床や壁の拭き掃除を定期的に行い、ボタンパネルや手すり部分も忘れず清掃しましょう。
また、通気口のフィルターがある場合は、目詰まりのチェックと清掃も忘れずに行ってください。
集会所・共用ラウンジ
共用スペースの中でも、集会所やラウンジなどの屋内空間は一見影響が少ないように思えますが、出入り口から黄砂が入り込むことがあります。
床の掃除に加え、ソファやテーブルの表面も拭き取りを行い、快適な空間を維持しましょう。
マンションで行うべき黄砂対策

黄砂対策は、黄砂が「飛来してから」ではなく、「飛来する前に」行うのが重要です。
日常清掃・定期清掃の工夫
黄砂シーズンは日常清掃の頻度や内容を調整しましょう。
たとえば、通常は週1回のモップ掛けを週2回に増やすなど、汚れの蓄積を防ぐ工夫が求められます。
定期清掃では高圧洗浄機や業務用クリーナーを使った徹底的な洗浄を取り入れると、さらに効果的と言えるでしょう。
掲示板での案内・注意喚起
マンションの住民にも黄砂への理解を促すことで、建物全体の汚れ対策にもつながります。
たとえば、強風の日は窓を閉めるよう案内することや、共用部に砂を持ち込まない工夫をお願いする掲示を設置するなど、情報共有することで予防策となることもあります。
換気設備のメンテナンス
マンションの換気扇や吸気口などは、黄砂が入りやすいポイントでもあります。
黄砂に含まれる微細な粒子は、フィルターの目詰まりを引き起こしやすく、冷暖房効率の低下や異音・異臭の発生にもつながるため、日頃のメンテナンスが非常に重要です。
フィルターの定期的な点検・交換を行うことで、室内の空気の清浄度を保つこともできるでしょう。
マンションの黄砂対策としてマンション清掃を!

黄砂は自然現象であるため、完全に防止することは難しいです。
しかし、定期的な清掃と事前の対策によって、マンション建物への悪影響を大きく減らすことができます。
とくにマンション共用部の汚れや設備のメンテナンスは、マンション全体の価値・住民の満足度にも直結してくるものです。
黄砂の多い季節こそ、なるべくこまめな清掃を心がけ、住民にとって快適な環境づくりができるよう意識していきましょう。
とはいえ、マンション全体の清掃を管理だけでまかなうというのは難しい場合もあります。
清掃の専門知識と経験を多く持つ清掃業者に依頼することで、黄砂による汚れの影響を的確に把握し、効果的な清掃が可能になります。
設備に配慮した清掃方法や、高所・細部の作業もプロの清掃業者に任せることで、建物を長く綺麗に保つことができるでしょう。
おわりに
本記事では黄砂によるマンションへの悪影響や、マンション共用部の清掃方法、事前にできる黄砂対策などについて詳しくご紹介しました。
黄砂による影響は、見た目の汚れだけではなく、マンション設備の劣化や健康面にも及んでしまうため、マンション管理会社にとっては無視できない課題だと言えるでしょう。
しかし、マンション共用部の適切な清掃、住民への注意喚起、事前の準備などを組み合わせることで、黄砂シーズンでも安心・清潔なマンション環境を維持することができます。
これを機に、マンションの清掃計画や対策内容を見直してみてはいかがでしょうか?